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記憶から消える前に備忘録。

MPEG-2 TS について Part 3

MPEG-2 TS の全体的な話については一応この記事で最後のつもり.

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参考資料・サイト

MPEG-2 TS について

PSI / SI

今回は MPEG-2 TS パケットのペイロードについて, ES, PSI, SI のうち PSI と SI について記していく.

PSI / SI はプログラム(番組)に関する情報であり,これらをまとめてテーブルと呼ぶ. 主なテーブルの種類についてまとめていこう.

まずは PSI のテーブルについて.

  • PAT (Program Association Table)
    トランスポートストリームに含まれるプログラムと PMT (後述のテーブル)を対応づける役割をもち, PMT の PID が一覧として格納されている. そのほかトランスポートストリームにおける NIT (後述のテーブル) の PID を格納していることもある.
    PAT の PID は常に 0x0000 である.

  • CAT (Conditional Access Table)
    限定受信(有料放送)についての情報を格納している.
    CAT の PID は常に 0x0001 である.

  • PMT (Program Map Table)
    PMT に対応するプログラムの映像や音声などの ES (エレメンタリストリーム)の PID を格納している. PMT に格納された ES の PID をもとにトランスポートストリームから ES のパケットを抽出することでプログラムが再生される.
    PMT の PID は PAT によって指定される

続いて SI のテーブルについて.
MPEG-2 システムの規格としては PSI のみ定義されてるが,利便性のために番組情報などを含めたデータとして SI が規定される. 以下の項目は,一般社団法人電波産業会(ARIB)が規定するものをまとめている.

  • NIT (Network Information Table)
    変調周波数など送信するネットワークに関する情報と番組を関連づける.
    NIT の PID は常に 0x0010 である. (なお, PAT にも NIT の PID が格納されている.)

  • SDT (Service Description Table)
    テレビのチャンネルの名称や,放送事業者の名称などの情報を格納している.
    SDT の PID は常に 0x0011 である.

  • EIT (Event Information Table)
    番組の名称や放送日時,内容の説明などの情報を格納している. 電子番組表 (EPG: Electronic Programming Guide) は、主に EIT の情報から作成される.
    EIT の PID は主に 0x0012 であるが,日本の地上デジタル放送ではそのほかに 0x0026, 0x0027 も用いられる.

  • TOT (Time Offset Table)
    現在の日付,時刻の情報のほかにサマータイム実施時のオフセット時間情報が格納されている.
    TDT の PID は常に 0x0014 である.

  • TDT (Time and Date Table)
    現在の日付,時刻の情報が格納されている.
    TDT の PID は常に 0x0014 である.
    TDT に含まれるすべての情報は TOT に含まれており,トランスポートストリームには TDT と TOT のどちらか一方のみが送出される. 日本の地上デジタル放送では TDT のみ送出されている.

SI には上記以外にも多くのテーブルが存在するが省略する. (詳しくは 標準規格の入手について(STD-B10)|一般社団法人 電波産業会 の Table 4-1 などを参照してほしい)

www.arib.or.jp