ガウス積分 Part 3
ガウス積分の応用についての備忘録.
今回は,指数に を含む場合について考える.
ただし は実数とする.
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誤差関数
まず,誤差関数 を導入する.
誤差関数 を図示すると下図のようになる.
ガウス積分 Part 1の結果を踏まえると,
となることがわかる.
誤差関数の微分
誤差関数 の微分はとても単純で,
となる.
ガウス積分(応用形)
さて,ここから本題を考えていく.
ただし は実数とする.
証明)
であることから,指数を以下の2通りに平方完成できる.
ここで, の微分を考えると,
となり, より,
となる.
よって,
となる.
ちなみに, のときには一般のガウス積分となるが, であるため一般のガウス積分の性質が確認できる.
積分区間が片側のとき
ただし は実数とする.
証明)
積分区間が両側,つまり, から までのときの証明と途中まで同じ.
より,示された.
ガウス積分 Part 2
ガウス積分 Part 1
の形のガウス積分について証明を残しておく.
ただし は実数とする.
ガウス積分(基本形)
証明)
まず,
を考える.
ここで, の積分区間がともに から までなので,この二重積分の積分領域は 平面全体になる.
を極座標 に変換すると,上図より の積分区間は から , の積分区間は から となるので,
よって,
となる.
ガウス積分(一般形)
について証明する.
証明)
と置換すると , の積分区間は から までであるので,
ガウス積分(基本形)の結果を利用して,
となる.
ガウス積分(片側)
ついでに の積分区間が から までのときのガウス積分についても記しておく.
証明1)
ガウス積分(基本形)の結果と の偶関数性に注目すれば明らか.
証明2)
ガウス積分(基本形)の証明と同様に,求める積分値の2乗を考えて,
であり,この二重積分の積分領域は 平面の第一象限になる.
を極座標 に変換すると,上図より の積分区間は から , の積分区間は から となるので,
よって,
となる.
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